丹南歴史探訪 ~泰澄の蓮伝承に挑戦20年~蓮曼陀羅研究会
2018/01/11(木)今回の丹南歴史探訪は、越前町で泰澄大師と蓮糸にまつわる郷土の歴史の研究と
後世への伝承に取り組む蓮曼陀羅研究会の皆さんをご紹介します。
毎年9月、地元糸生小学校の6年生児童を対象に、郷土の伝承をモチーフにした
体験学習会が開かれています。
学習会は、奈良時代の高僧で地元ゆかりの泰澄大師が残した伝承をもとに、
蓮から糸を取り出し、紡ぎ、織機にかけ布に仕上げていくという、とても珍しいもの。
企画したのは蓮曼陀羅研究会のみなさんです。
糸生地区には、昔から「糸生で蓮から糸を紡ぎ織田で布を織る」といった伝承があります。
蓮から糸を紡ぎ織物にしたという、一見信じがたいこの伝承は、この地域ゆかりの奈良時代の
高僧であり、白山信仰を開かれた泰澄大師によって伝えられたと言われています。
研究会のみなさんの話や、蓮糸織り体験を通して、自分たちの住む地域の名前の由来を知った
児童たち。新鮮な感動を覚えているようでした。
大谷寺に残る曼陀羅の図。
中世の朝鮮の画工によって描かれたと見られる 異色に富む仏画です。
この仏画は、中央に観音像、その左下に童子が描かれており、昔から大谷寺では、
泰澄大師が十一面観音菩薩を感得する場面の絵解きに使われていました。
大谷寺には、この画が蓮糸で織られた布に描かれたという伝承が残っており、糸生地区に残る
「糸生で蓮から糸を紡ぎ織田で布を織る」とう伝承を色濃く反映した貴重な仏画となっています。
栽培した蓮から多くの糸を取り出すことに成功していた研究会では、
蓮から紡いだ糸で画布をつくり、新たな蓮糸の曼陀羅を制作しました。
それがこちら「越知山大谷寺 泰澄大師十一面観世音菩薩感得図」です。
番組をご覧になり
「糸生」の地名のおこりともいえる歴史と伝承。
蓮糸の不思議な世界を感じてみてください。
■丹南歴史探訪
~泰澄の蓮伝承に挑戦20年~ 蓮曼陀羅研究会
・放送期間 1月13日(土)~19日(金)
・放送時間 9時~ 14時~ 18時~ ほか